会社の1年は4月から翌年3月、社会生活では正月から12月31日、子供の頃は勿論一年というと何と言ってもクリスマスと除夜の鐘と正月。この三つのビックイベントで一年の〆と始まりが身体の隅々まで習慣となって生活してきた。経営者になってからの一年の〆は3月だ。頭にあるのは常に売上と利益予想。実際は5月に決算提出となっているので3月から5月までがクリスマスから正月ということになる。とても長い一年の締めくくりの時間だ。思った数字になっていればこの期間は次のステップへと楽しい時間となるが年々次年度の予想が困難になってきている。創業時は100%電力関連工事の売り上げであった。今になって思うとこの頃の電力関連工事の経営者は口を開いていれば仕事が入って来た。その天国の時代は東日本大震災の事故で一変した。努力の言葉が空しくなるほど何も無くなった。当社は事業の多角化を同業者よりいち早く取り組んでいたお蔭で現在がある。創業から数年後、取引先の役員のアドバイスで事業の幅を広げる検討に入った。他社よりも簡単に方向転換が出来たのは一番のお得意さんの協力会に入った頃、既に30年以上の取引実績のある協力会社ばかりであった。当然、会議の並びも末席で仕事は既存業者が断った半端な仕事ばかりであった。何から何まで業務に必要な工具は提供されていた。そこでまず手を付けたのが特殊工具の自前化、これは大変な投資であったが、この前向きな姿勢が少しずつ評価されたようだ。数年前には同業者が次々廃業している。その先輩会社の社員数名を現在引き取っている。少しは見返しが出来たと思う。来期はますます見通しが立ち辛い時代。半歩先行く投資で先行していきたい。