釜石の軌跡

昨日、東京商工会議所荒川支部の研修視察で釜石地区の被災復興状況を見た。ボランティアガイドさんの説明の中で釜石東中学校と鵜住居小学校の生徒が地震後全員が無事避難した内容についての説明があった。犠牲者が無くこの全員避難が出来た裏には日頃の防災教育の中で群馬大学大学院の片田敏孝教授の指導の賜物と云っても過言ではない。また、その教えを忠実に実行した中学生の行動力と自分たちは守られるだけでなく守る立場という認識があり隣の小学校生徒や保育園、お年寄りの手を引いての避難はまさに奇跡と云われる。ガイドさんによるとこの地域は百数十年の間に4回も大きな津波に襲われているが大人の意識からはギネスブックに載るほどの防波堤の存在があり過去の被害が遠のいていたようだ。また、裏覚えであるが行政で作成しているこの地域の指定避難場所15か所の内13か所ではすべて津波に呑み込まれて多数の犠牲者が出たという。片田教授のいう相手は自然でシナリオは無い、想定に囚われるなとは正にそのことだと思う。釜石商工会議所会頭の奥様も現在行方不明でご本人も4畳半での避難生活をしながらの地域復興に駈けずり回っているお話を聞くと国の復興作業に怒りを感じた一日であった。荒川区においても住宅密集地の防災対策や避難場所について改めて見直すことが必要だ。

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