記憶をたどると五十余年前の大学卒業を迎える前まで就職について真剣に考えたことは無い。周囲の友人ががどこそこの会社に決まったという情報は入ってきているが当時内定という言葉は無かったように思う。名のある会社に決まると彼らはコネがあったとか根拠のない話で盛り上がっていた。大学は工学部電子科であったが麻雀と軽音楽にハマって勉強した記憶が全くない。今思えば麻雀など学生時代にやらなくても何時でもよかった。まあ、そこで繋がりのできた友達は今でも年に何回も飲み食いして旅行にも行っている仲間なので良いご縁ができたので結果良し。当時の会社選びはどの様にしていたか考えてみるとインターネットも無い世の中で情報も限られているので一番近い親の職業に左右されていた面もある。親を教員に持っていると教育関係、自営業者であれば親は反面教師でサラリーマンを勧めるか自分の好きにせよとか意外と会社選びには無頓着であった気がする。インターンシップ関連で中学生や高校生に対して職業についての講演する機会もありそこで話をする内容は、会社選びの前に三つの分野がある。一つは職人になる。二つ目は会社員になる。三つめは経営者になる。この3つの分野の大枠からひとつ選ぶ。3つから一つ選ぶことは容易いことだ。例えば職人を選ぶとこの分野はお医者さんに始まり、大工さん、弁護士、左官屋さんなど途轍もなく幅が広い。共通しているのは個人技だ。次に会社員、この分野は会社による規模感が大きく異なるし業界により個人所得も幅が出てくる。一般的には安定感が一番高い。最後の経営者はリスクが高く運も必要だ。色々なデータがあるが裏付けは曖昧であるが厳しい数字は起業から3年後の生存率は65%、10年間存続している会社は6.3%、30年経つと0.025%という数字もある。ここから会社の寿命説30年ということらしい。実際に経営していて思うことは運によるところが多い気がする。困ったときに必ず助け神が現れる。ただし、黙っているだけでは運は来ない。大声で困りごとを広げることだ。先ずは発信し共感者を増やすことに尽きる。次のステップの話は業界選びについて書いてみたい。